2017年12月12日火曜日

第160回 質量分析関西談話会


第160回 質量分析関西談話会を下記の概要で実施する計画です。今回は

「代謝物ビッグデータを取得する方法とバイオマーカー探索への効果的な使い方」

をテーマに実施いたします。定量をきちんとするにはどうすれば
いいのか皆様の間で情報と意見交換を行えればとおもいます。
お誘いあわせの上、ご参加のほどどうぞよろしくお願いします。

世話人代表松田史生@阪大

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第160回 質量分析関西談話会プログラム
「代謝物ビッグデータを取得する方法とバイオマーカー探索への効果的な使い方」

2018年2月10日(土) 13時30分~16時50分
京都・嵐山 ご清遊の宿 らんざん
京都市右京区嵯峨天竜寺(嵐山渡月橋北岸を河に沿って上流(西)へ)
電話075-864-0088
交通アクセス:http://www.kyoto-ranzan.jp/access/index.html

質量分析法の最大の用途の一つは、薬物動態研究やバイオマーカー探索における、薬物、薬物代謝物、内因性代謝物等の定量です。正確なデータを多く取得するのが分析の使命であり、近年では取りためた定量値をまとめて「ビッグデータ」として活用したい社会的要請があります。しかし、互換性のないスモールなデータセットがビッグにあるのが実情です。そこで第160回 質量分析関西談話会では、正しい検量線の引き方や信頼できる定量値を得るための考え方について、産総研バイオメディカル標準研究グループの絹見 朋也様よりご紹介いただきます。また、網羅的なメタボローム分析からバイオマーカーを同定する方法は、標準化合物なしでの相対定量が試みられていますが、定量値の信頼度評価法が課題となっております。東北大学東北メガバンクプロジェクトにおける大規模コホートメタボローム研究において、実際に大量のデータ取得を担っておられる三枝 大輔様にデータ解析方法を含めた現状をご紹介頂き、得られた代謝物ビッグデータをバイオマーカー探索にどの様に活用するべきかを議論したいと思います。ぜひこの機会に日頃から抱いておられる疑問等をお持ちいただき、当会を十分に活用していただければと思います。

講演プログラム:
「ペプチド・タンパク質の標準物質開発と標準化」
絹見 朋也(産総研)
「標準化合物なしで正確な相対定量を行うための考え方」
三枝 大輔(東北大学)
「総合討論」
バイオマーカー探索、メタボローム分析等で取り扱う、標準化合物がない内因性代謝物の相対定量データと、どのように統合し、活用していくのかについてパネリストのみなさまからの話題提供をもとに討論を行います。

参加費:
無料

参加申込み:
参加希望の方は、(1)氏名、(2)所属、(3)メールアドレス、(4)日本質量分析学会
会員/非会員の別を添えて、下記メールアドレスにお申し込みください。
kansai17_%_mssj.jp (送信の際は、_%_を@に変えてください)
関西談話会世話人代表 松田史生(大阪大学)


懇親会:
懇親会は、関西質量分析関係者の集う「鮟鱇を食べる会」として開催します(17時30分開始、会費8,000円、当日参加はできません)。懇親会への参加をご希望の方は、談話会参加申込みとは別に1月末までに下記にご連絡下さい。
問い合わせ先:宮下正弘(京都大学)e-mail: miyamasa[at]kais.kyoto-u.ac.jp([at] は @ に置き換えて下さい)


世話人:楠本 雅典(大日本住友製薬)、宮下 正弘(京都大学)、黒野 定 (和光純薬工業)、松田 史生 (世話人代表、大阪大学)


風邪ひき読書

風邪を引いたので積ん読本をよみました。読まないと書けない質なのでまずは読むわけです。
ローカリズム宣言(内田樹、デコ)
読んだら効くひとりは内田樹です。180ページの日本の学術的発信力の劇的な低下に関するForeign Affairsの記事というのはこれ、でNatureの記事はこれでしょうか。必読ですな。

辞令(高杉良、文春文庫)
会社勤めはしたことないけど、この本を読んでいると、仕事するヒマないくらい根回しとかにいそがしそうでした。

兼好法師(小川剛生、中公新書)
高校の授業で習った、兼好法師に関する記述はほとんどが誤りであるというおそるべき事実を検証した本。吉田兼好っていう名前がそもそもねつ造とのこと。歴史学、というか文献史学は最高に面白くて、黒田 日出男の「国宝神護寺三像とは何か (角川選書) 」とか、「謎解き洛中洛外図 (岩波新書)」の、通説の矛盾点を見つけ、広大な文献から参考となる資料を渉猟し、資料の行間を縦横無尽に組み合わせつつ読み解いて、これまで見えてこなかった事実が浮かび上がってくる様子は、いいミステリーを読んでいるようで最高に楽しいです。本書においても、始まって3ページ目からの「この通説は完璧に見えるが、疑問を禁じ得ない。」に始まるこれでもかと続く問題提起と、紙背文書の裏読みからめくるめく明らかにされるプロセスは、名探偵の推理を聞いている少年探偵団の隊員のごとく、わくわくものであります。兼好法師像というのは、読解にも関わってくるので、高校の古文の先生はさぞ困るでしょうなぁ。あと、システム生物学の論文でこういうのが書きたいな。とおもいました。

深読み日本文学(島田雅彦、集英社インターナショナル新書)
本書の狙いが今ひとつはっきりしないので、なんともいいようがないのでありますが、日本文学史を整理する新たな切り口を提示しました。というのであれば、あくまでも文学関係その筋向けの業界内文書にとどまってしまうのであり、もう少し好意的に、一般向けに書かれたんだと見てみると、これを読んで島田雅彦はあたまいいなぁとか感じる人が出る可能性は万が一にでもあるかもしれないが、じゃあ日本文学を読みたくなるかと言われると、まったくそうではないようなので、「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそというガイドブックだと思えば、ま、そんなもんか、と納得はするのでした。


奇巌城(モーリス・ルブラン、南洋一郎訳、ポプラ文庫クラシック)
むかし、「奇巌城」「シャーロックホームズの冒険」「ドリトル先生アフリカ行き」を買ってもらって、まずはドリトル先生にはまり、それからホームズにいったので、ルパンには疎いのです。「奇巌城」にはホームズが出演するのですが(しかも因縁ありげだがあまり活躍しない)、こう言うのって事前になにか相談したり、版権のやりとりとかあったんでしょうか。。。などが気になってしまいました。研究プロジェクトで世知辛い知財の話ばっかり聞かされていると、人間がセコくなる、、、

未必のマクベス(早瀬耕、早川文庫JA)
「グリフォンズ・ガーデン」は確かOhX!に荻窪圭が書評を載せていて、放課後に姫路の本屋で立ち読みで読破したはずなんだが、どんな話だったかと言われると、数字あるいは数式に色がある。という女の子が出て着る話だったような気がする(また、そういう女の子に出会いたいという数学者の愚痴をその数年後に飲み屋で聞かされたこと)以外、とくに何も覚えていないのだが、その作者の20何年ぶりの新作の文庫化ということで本屋で山積みだったし、梅田のブックファーストのランキングでも6位だったので読んでみた。東南アジアアジア+ハードボイルド+初恋以降+理想の女+謎+カクテル飲みまくりということで、矢作俊彦の「ロング・グッドバイ」の気の抜けたやつ。という感じではある。ダイキリも甘いが、キューバリブレはもっと甘いのだ。さらに、オチとかはあんまりにも情けない願望がそのままなので、もうちょっとどうにかならんものか、、。この作品が好きな方は矢作の「ロング・グッドバイ」をぜひ。

勁草(黒川博行、徳間文庫)
年に一度のお年玉、とかクリスマスプレゼントって感じでよむとこの安定感と大阪弁がたまらない。今回は、オレオレ詐欺グループとそれを追う警察グループの視点が交互に入れ替わりつつ進むので一粒で2度おいしい感じである。

☆Motor Fan illustrated 134号(三栄書房)
特集は水平対向エンジンである。水平対向エンジンの利点は低重心、バランスがいい。の2点だが、フロントに置くと排気系の取り回しが苦しく、うんぬん、などとおしえてもらい、なるほどなあと図面をながめているだけで結構楽しい。