2019年12月25日水曜日

Ryzen 9 + Anaconda + numpy

Windows用AnacondaのnumpyはIntel Math Kernel Library(MKL)という数学演算ライブラリを利用している。というか、MKL以外のOpenBLASなどを使おうとするとすごく大変らしい(MacOSX, Linuxでは可能)。Windows用Anacondaのnumpyを用いると、演算のタスクを複数のコアに勝手に分散して高速化してくれる。しかし、parallel pythonなどで関数単位のジョブを複数のコアに分散させて並列計算する場合、1ジョブの演算タスクは1コア内で完結してくれないと困る。

こういう場合はmkl-service パッケージを使う
> conda install -c anaconda mkl-service


として、各コアに分散する関数の最初のほうに

import mkl
mkl.set_num_threads(1)

として、mklに最小のスレッド数を1にせよと指令を出すと1コア内で完結するようになる。

さらに問題なのは、AMDのRyzen 9 3900xを積んだPCでWindows用Anaconda+numpyを利用するときである。PCを買ってから気づいたのだけど、Ryzen 9はIntelが開発しているMKLと大変相性が悪い。開発中のmfapyはnloptをソルバとして用いているので、

1.下記のように仮想環境mfapyを作成する。
> conda create -n mfapy -c conda-forge nlopt numpy scipy matplotlib

(現在python 3.8.0がインストールされます

2.この記事を参考にmklの機能を止める

> conda install mkl -c intel --no-update-deps
さらに環境変数MKL_DEBUG_CPU_TYPEを設定する。
MKL_DEBUG_CPU_TYPE=5

3.mkl-serviceモジュールを使用できるようにする。
> conda install -c anaconda mkl-service 

こうすると、上記のmkl.set_num_threads(1)を設定することで、演算タスクを
1コア内に完結できるようになる。
どうもRyzen上でも、mkl-serviceによるスレッド数制御は可能らしい。
一方、インテルcpuに特有の命令は2)の操作で殺すことができているようだ。





2019年12月9日月曜日

シラバスの使い方

大学改革の迷走 (佐藤 郁哉 ちくま新書) を読んだ。本書にも書かれているように、「私がアメリカの大学に留学した時はこうだった。」とか、「私が訪問したアメリカの大学ではこのような制度が、、」とか、「話によるとアメリカの大学では特許料の収入が、」などなどの、データに裏付けのない個人的経験に基づく価値判断が、大学改革への取り組みに大きく影響しているのは間違いない。本書においてまず最初に取り上げられるのはシラバスである。本書の筆者もまた、留学先で出会ったシラバスの教育効果に感銘を受け、アメリカ式のシラバスの実践を帰国後に自身でも行っているらしい。
一方、なぜ、アメリカの大学教育現場がシラバスを必要としているのかについての考察が全くないのが興味深い。日本の大学教育現場ではシラバスがないと絶対に困るとは言えない。一方、アメリカでは、シラバスをせっせと作らないと絶対に困る切実な理由が、大学教員にも学生にもきっとあるのではないかと思われる。
アメリカの大学では成績不振者をどんどん退学させるらしく、卒業率は60%程度である(落第すると別の大学に編入したり、就職したりするそうだ。また、お金が足りなくなったとか、あまりにも厳しくてやる気がなくなった。という退学理由も多いらしい。あと、5年6年かかって卒業する例も多いらしい)。このようなシビアな環境では、
・学生は効率的に勉強するために事前に、どのような内容なのか評価基準等について詳細な情報が記載されたシラバスが欲しい。
・良い成績が取れなかった時には、低い評価につながった理由などを教員に問い合わせるだろう。また、「シラバスの内容と実際のクラスの内容が異なっていた。」などの苦情を申し立てることもあるだろう。下手すると訴訟を起こしたりするかもしれない。
・教員が、このような苦情に対応していくには、教育内容および達成目標を明記し、評価基準を明確化する必要がある。あなたは○○という達成目標が達成できなかったので、落第です。と説明する責任を負わされている。
ようするに、「何とか卒業するための情報源としてのシラバス」「落第しそうになった時にケチをつける根拠としてのシラバス」「落第する学生の苦情から身を守るためのシラバス」だったら、まず間違いなく活用が進むだろう。その副次的な結果として高い教育効果が得られる場合があると考えるのが妥当な気がする。
一方、前提となる環境が全く異なる日本の大学では、アメリカの大学と同じスタイルのシラバスを運用する切実な理由はなさそうだ(ときどき成績に文句のある学生が、「私はシラバス通り勉強したつもりですが」という、本来のシラバスの利用法をおこなっているのを見る)。シラバスは、事前に何を教わるのかあらかじめ明記することが必要な、自動車教習所とか英会話学校のような場所では、有用であるのは間違いないだろう。一方、教育ができることを「事前に何を教わるのかあらかじめ明記」できることだけに制限してしまうというのが、シラバスの問題点であることも間違いない。

追記:という話をイギリス出身の方にしたら、そんなわけでもないけどね、、というコメントでした。この記事もまた、「データに裏付けのない個人的経験に基づく価値判断」なのでありましょう。反省。。

2019年11月9日土曜日

第164回 質量分析関西談話会/第17回 MSSJ質量分析技術者研究会プログラム

災害に強いマスづくり&関西若手の活躍
日時:2019年11月23日(土)13時00分~

会場:島津製作所関西支社マルチホール (会場定員60名)
大阪市北区芝田1-1-4 大阪梅田 阪急ターミナルビル14階
電話06-6373-6522
(JR大阪駅ホーム北側に隣接するビルです。阪急17番街のエレベータで14階までお越しください。)

交通アクセス:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/access/kansai.html

多くの災害が起きています。人命を最優先とするのはもちろんですが、質量分析装置に被害が出るのも避けなくてはなりません。そこで、災害に強い環境の構築を目指して、最近の事例に学び、効果的な対策法の情報交換を行いたいと思います。また、関西若手のチャレンジの成果を皆さんと共有しましょう。多くの方の来聴を歓迎します。

講演プログラム:
災害に強いマスづくり
13:00~13:45:「北海道地震から得た教訓(仮)」
岡 征子(北海道大学創成研究機構)
13:45~14:30:「大阪北部地震の教訓、効果的な対策法の提案」
質量分析関西談話会、MSSJ質量分析技術者研究会、メーカーより話題提供
飛び入りの話題提供歓迎
14:30~15:00:「総合討論」
15:00~15:15:休憩

関西若手の活躍
15:15~15:55:「界面活性剤は難しい!」
 中野史保子(大阪府警科学捜査研究所)
15:55~16:35:「病院薬剤部にて質量分析をTDMに生かす:業務紹介と臨床現場ならではの問題点」
 新名主カオリ(国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 薬剤部)
16:35~16:15:「プロテオミクス研究支援の現場から?面白い研究のためにできること」
 中川れい子(理化学研究所 生命機能科学研究センター)

参加費:無料

参加申込み:参加希望の方は、(1)氏名、(2)所属、(3)メールアドレス、(4)日本質量分析学会会員/非会員の別、(5) 託児の希望有無(日本質量分析学会会員のみ)を添えて、下記メールアドレスにお申し込みください。

kansai17_%_mssj.jp (送信の際は、_%_を@に変えてください)

関西談話会世話人代表 松田史生(大阪大学)
世話人:三宅里佳(大阪大学)、片木宗弘 (大阪府警)、松田 史生 (世話人代表、大阪大学)

2019年10月5日土曜日

Skylineの使い方 その8 リストを編集例

Skylineの使い方 その8 リストを編集例



ペプチド設定->修飾タブ
では内部標準に用いるペプチドの標識法を変更できます。でも画面上には、label:13Cしか表示されていない。あるいはなにも表示されていないことがあります。
Skylineには、様々な設定に「リストを編集」という機能が用意されており、
・裏に設定をたくさん用意してある。ユーザーも設定を追加できる。
・ダイアログに表示するリストには、そのなか選んだものだけ。
という機能を提供しています。

1.「ペプチド設定->修飾タブ」でlabel:13Cしか選べない=>すぐ右横の「リストを編集」。


2.「同位体修飾を編集」ダイアログが出るので、「追加」



3.「同位体修飾を編集」の「名前」の右端の下矢印をクリック



4.選択可能な修飾が表示されるので Label: 15N を選択



5. Label: 15Nがリストに追加されたので、「OK」



5. Label: 15Nがリストに追加されたので選択する。





Skylineの使い方 その7 結果の書き出し

Skylineの使い方 その7 結果の書き出し


内部標準に安定同位体を用いて対象ペプチドを相対定量する。下記の図だと青が安定同位体標識ペプチド、赤が非標識ペプチド。この相対定量面積値を書き出してみる。

ファイル(F)

エクスポート(E)

レポート(R)

ペプチド比率結果

プレビュー(P) で 結果の確認



エクスポート ボタンでcsvファイルを出力できる。エクセルに読み込む。F列のデータが相対面積値。文字化け理由は不明



あとは各自頑張れ。


Skylineの使い方 その6 測定データの読み込み

Skylineの使い方 その6 測定データの読み込み


Skylineでは大手ベンダーの測定データファイルを直接読み込めます

基本的な考え方は
1.タンパク、ペプチド、MRMを設定済みのSkylineドキュメントを作成する。
2.設定済みのSkylineドキュメントに測定データファイルをインポートする。設定したMRMが測定データファイルにある場合、MRMクロマトグラムが表示される。

1.タンパク、ペプチド、MRMを設定済みのSkylineドキュメントを開く


2.ファイル→インポート→結果で「結果をインポート」ダイアログを開く
下記の設定にしておく(細かい芸ができるようだが、無視)


3.読み込むファイルを複数選択する。


4.共通の文字列を削除したい場合はここで設定(便利)


5.データファイルの読み込み。少し時間がかかる。

6.うまく読み込まれるとクロマトグラムが表示される。



Skylineの使い方 その5 LabSolutionとの連携

Skylineの使い方 5 LabSolutionとの連携



1.【Skylineの処理】
ファイル→エクスポート→トランジションリスト…

「トラジションリストをエクスポート」ダイアログの考え方

  • シングルメソッド←全部ひっくるめて出力
  • タンパク質毎の一つのメソッド←タンパク質毎に分割
  • 複数メソッド←たとえは500チャンネルごとに分割。その際に「タンパク質を無視」するとあるタンパク質のチャンネルが2つに分割してもよい。

最大トランジション数 = 500 ←例えばdwell time + pause time = 2msec で1 secに1点データを取りたい場合 1000/2 = 500 が最大トランジション数

メソッド = 1 ←生成するメソッドファイル数を教えてくれる。
最適化 = 衝突エネルギーにしたほうがいい。
メソッドタイプ = 標準
実行時間(分)(D) = 90 ←LC側に合わせる

 OK でファイルが生成する。



2.【LabSolutionの処理】
LabSolutionの処理の考え方
既存のLCMSメソッドファイル(.lcm)に「化合物のインポート」でMRMの設定のみを読み込む。

・分析編集を開く
・既存のLCMSメソッドファイルを読み込む
・メソッドー>化合物のインポート Skylineから出力されたファイルを読み込む
・メソッドファイルに別名をつけて保存
・「ループタイム」等で調製


3.Q1ResolutionとQ3Resolution の一括変更
Shimadzu8060ではQ1とQ3の分解能を両方Lowすると感度が10倍向上します。夾雑物ピークが増えるが気にしない。化合物のインポート前に
・Skylineから出力されたファイルをエクセルで開く
・Q1ResolutionとQ3Resolutionを1から2に変更
・セーブしてLabSolutionに読み込む。




Skylineの使い方 その4 定量プロテオーム解析用のメソッド作成

定量プロテオーム解析用のメソッド作成


Skylineは定量プロテオーム解析用のソフトウェアです。複数のタンパク質用のMRMメソッドを並列したメソッドを作成できます。今回はテキストファイルから定量プロテオーム解析用メソッド作成法を紹介します。
1.まずSkylineを起動し、「空のドキュメント」を開きます。


2.次に下記のようなタブ区切りのテキストファイルを用意します。こういうデータは論文のサプリメントデータとかについています。
タンパク名、ペプチド、Q1 m/z, Q3 m/zの順番です(どうもこの順番は適当でもSkylineがよきにはからってくれるようだ)。

serB LAGSLTAR 394.735425944185 347.20429299249
serB LAGSLTAR 394.735425944185 460.28835696962
serB LAGSLTAR 394.735425944185 675.37896287917
serB LAGSLTAR 394.735425944185 604.34184909446
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 1104.51817585726
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 519.27132700649
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 991.43411188013
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 1203.58658977025
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 965.60354308039
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 1094.64613616836
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 868.55077923154
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 1241.71455008135
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 804.4103225771
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 418.23017338716
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 632.3619158327
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 531.31423736429
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 989.47913041291
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 789.39942354023
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 860.43653732494
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 1152.54245894546
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 847.43476350313
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 748.36634959014
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 1015.52464113669
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 677.32923580543


3.テキストをクリップボードにコピーします。
4.左上青枠をクリックし、ペーストします(貼り付けて後複数個貼り付けても1つのメソッドで行ける)。


5.うまくいくと、ターゲット欄にタンパク質が登録されます。


6. 設定パラメータについては研究目的により異なるため、その都度入力します。

6-1.使用するペプチドの長さの範囲を指定する。

設定(S) →ペプチド設定→フィルタ・・・
設定例:
最小長(M):7 - 最大長(X):30、
末端AAを排除(N):25 ←今回は意味なし
□潜在的に不規則な終端を排除 ←空白のまま
以下を含むペプチドを排除
■Cys ←これらのアミノ酸が含まれるペプチドは定量に向いていないといわれています。
□Met
□His

■全ての一致ペプチドを自動選択(A)





6-2.修飾の設定

設定(S) →ペプチド設定→修飾・・・
■Carbamidomethyl(C)←還元アルキル化した場合はチェック
最大修飾(M)=3←よくわからない
最大ニュートラルロス(N)=1

同位体標識タイプ(T)=heavy ←安定同位体標識内部標準を用いる場合ここで設定
同位体修飾(I )
□label:15N 15N …フル15N標識の時
□label:13C 13C …フル13C標識の時
変更時は別記事の「Skyline_15N→13C_ペプチド設定_変更の方法」へ

内部標準タイプ(N)=heavy ←安定同位体標識内部標準を用いる場合heavyにしておく。
 


6-3.トランジションの設定

設定(S) →トランジションの設定→フィルタタブ
  プリカーサ電荷(P)=2 ←2価と3価の場合は"2,3"とする。
    イオン電荷(I)=1
    イオンタイプ(T)=y ←yとb系列のときは"y,b"とする。
    開始点(F)=イオン1 ←Q3を選ぶ基準
    終了点(O)=最後のイオン

 特別なイオン
 ■N-terminal to Proline N末がプロリンになるペプチドは無視

    プリカーサm/z排除ウインドウ [            ] m/z   ←空白のまま

    ■一致する全てトラジションを自動選択(A)

7.ファイル名を付け、保存する。←… 解析メソッド出来上がり
   <例>KT0031_Normal3-empty
             




2019年9月23日月曜日

SBmapの使い方その7 リンク集

GARUDA

GARUDA GATEWAY
SBIが開発するGARUDAの総本山。お世話になっております。

ガジェットパック

マルチオミクス解析パッケージ
島津製作所の有償版製品紹介ページ

Shimadzu Multi-omics Analysis Gadget Pack
無償版配布ページ

マルチオミクス解析の部屋
大阪大学・島津分析イノベーション共同研究講座にあるマルチオミクス解析
パッケージの情報提供

MAP

blankmaps
大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報計測学講座で作成した白地図が
置いてあるGitHubレポジトリ

組織

大阪大学・島津分析イノベーション共同研究講座
システム・バイオロジー研究機構 - The Systems Biology Institute大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報計測学講座

2019年9月22日日曜日

SBmapの使い方その6 Shimadzu MS Data importガジェットの裏技



 前記事(SBmap 化合物名の基礎知識)で説明した使い方が基本です。しかし、GC-MS, LC-MS/MSでデータを取得する分析メソッドの化合物名を書き換えなくてはならない。という欠点があります。さらに、Trp(KEGG:C00078)というような表記を分析メソッドにするのは、ダサいからヤダ。というユーザーもおられるかもしれません。
 このような問題を解決するため、Shimadzu MS Data importガジェットには裏技が用意されています。Shimadzu MS Data importは化合物名と化合物IDとの対応表を内部に持っており、島津製作所製分析法パッケージで使用されている化合物名(例ではTrp)を見つけると、自動的に化合物IDを付与します。これにより、GC-MS, LC-MS/MSのデータ取得メソッドを書き換えなくても、Multiomics Data Mapperが機能できるようにしています(図1例H)。さらに、Trp(KEGG:C00078)というようなデータを読み込んだ場合、Trp のKEGG IDはC00078 という情報を記録しておく機能もあります。しかし、化合物名が対応表にない場合は、化合物IDが付与されないのでうまく動作しません(図I)。

図1

 ここからが皆さんを見込んでこっそりお伝えする裏技です。ここだけの話として誰にも教えてほしくないのですが(もちろん正規の保証外です)、この「化合物名と化合物IDとの対応表」はユーザーが自由に書き換えることができます。
  1.  Shimadzu MS Data importガジェットの右上の秘密のボタン「IDList」を押す。
  2. 「化合物名と化合物IDとの対応表(CompoundIDList.txt)」が「メモ帳」を使って表示される。
  3.  念のため、もともとの「化合物名と化合物IDとの対応表」を別のファイルにコピペして保存しておく。
  4. 大阪大学情報科学研究科バイオ情報計測学研究室がhttps://github.com/fumiomatsuda/blankmaps/tree/master/idsから公開(予定)の対応表ファイル(CompoundIDList.txt)の中身をコピペする。あるいは自作した対応表をコピペする。
  5. 「メモ帳」のセーブ機能を用いて保存する。
  6. 念のためGARUDAを再起動する。
右上が禁断のIDList


この方法で、「化合物名と化合物IDとの対応表」を書き換えると、下図2のようにマップ側に付与するIDを工夫することで、いろいろなことができます。繰り返しになりますが、あくまでもユーザーの独自の判断でご活用ください。SBmap08, SBmap09は島津製作所製GC-MS Smart Metabolites Databaseで取得した定量データに対応するため、これらの技をいろいろ繰り出しておりますのでご参考ください。


図2

SBmapの使い方その5 SBmap 化合物名の基礎知識

 島津製作所が配布、販売しているマルチオミクス解析パッケージGC-MS, LC-MS/MS等で取得した定量データを代謝マップ上に簡便に可視化する機能を持っています。本パッケージは、阪大、SBI、島津製作所の共同研究の成果をもとに島津製作所が製品化したものです。そこで、マルチオミクス解析パッケージで代謝マップ上に可視化する際に、知っておきたい化合物名の基礎知識をこっそりご説明いたします。
 本稿ではおもにメタボロームデータを念頭に記述を行いますが、同様の考え方でプロテオーム、遺伝子発現データの可視化にも利用できます。

各ガジェットの機能とIDの役割

 マルチオミクス解析パッケージはGARUDA上で動作する複数のガジェットの組み合わせで機能を提供します。GC-MS, LC-MS/MS等で取得した定量データを代謝マップ上に可視化するには、Shimadzu MS Data ImportガジェットおよびMultiomics Data Mapperガジェットという2つのガジェットを使用します(簡単な説明)。Shimadzu MS Data Importガジェットの役割は、様々なフォーマットのデータを読み込み、.sdfというフォーマットに変換することです。Multiomics Data Mapperガジェットの役割は.sdfフォーマットのデータを受け取り、各化合物の定量データを、「白地図」と呼ばれる代謝マップ中の対応する箱(ノード)に書き込むことです。
 通常は、図1の例Aのように、GC-MS, LC-MS/MS等でデータを取得するときに、Tryptophanのデータ取得するメソッドにTrpなどの化合物名を付与します。一方、白地図にも各箱(ノード)に化合物名Tryptophanが付与されています。この化合物名(代謝物名)は書き方が様々であり、TrpTryptophanのように異なることがよくあります。Multiomics Data Mapperガジェットは、TrpTryptophanが同じ化合物であると判定できないため、うまくデータが書き込まれません。(図1A

図1

 そこで、マルチオミクス解析パッケージ用に提供された白地図には化合物ID情報が追加で付与されています(SBmapに埋め込まれたID情報を確認する方法)。化合物ID情報の(KEGG:C00078)のうち、KEGGは、KEGGデータベースの化合物番号である。ということを示しています。C00078KEGGデータベースのL-tryptophanの化合物IDです。また、()で括るというルールになっています。Multiomics Data Mapperガジェットは、()で括られたIDが完全一致するというルールで紐づけを行っています。そこで図1BのようにTryptophanのデータ取得するGC-MS, LC-MSのメソッド名をTrp(KEGG:C00078)とすると、Multiomics Data MapperガジェットはTrp(KEGG:C00078)のデータを、化合物名Tryptophanが付与された箱(ノード)に書き込みます(図1B)。

 この化合物IDにもいくつか落とし穴があります。たとえばアミノ酸にはL体、D体、ラセミ体があり、それぞれ別個のIDを持ちます。白地図の多くはPhenylalanineの箱(ノード)に、L体のIDを付与しています。もし、図1CのようにPhenylalanineのデータ取得するGC-MS, LC-MSのメソッド名をPhe(CHEBI:28044)とするとCHEBI:28044はラセミ体のIDのため、期待したようにデータが書き込まれません(図1C)。このような事態を避けるため、大阪大学情報科学研究科バイオ情報計測学研究室では、メタボローム分析で分析対象になりそうな代謝物について、実用的な代謝物名、IDをリスト化し、これをもとに全データを生成しています。(まだ作り立てで誤りがおおいのですが、、)ご参考にしていただけると幸いです。
https://github.com/fumiomatsuda/blankmaps/tree/master/ids

1つの代謝物を複数の分析メソッドで測定する場合

 GC-MSを用いたメタボローム分析法では、例えばTryptamineから誘導体化反応時に生成する、Tryptamine-2TMSTryptamine-3TMSの両方を測定対象としています。このように、1つの代謝物を複数の分析メソッドで測定する場合は面倒なことになります。たとえば、Tryptamine-2TMSTryptamine-3TMSを測定するGC-MSの分析メソッドの双方にTryptamineIDを付与し、Tryptamine-2TMS (KEGG:C00398)Tryptamine-3TMS (KEGG:C00398)としたとします。白地図上のTryptamineの箱(ノード)に、対応するデータが2つあるため(コンフリクト)、どちらかのデータが貼り付けられることになり、それがどちらになるかは不明です(2つのデータを足し算するような機能は搭載されていません)(図2)。
図2

このコンフリクトを避けるには、図3のような方法があります。たとえば、GC-MSの分析メソッドのうち、Tryptamine-2TMS にのみ(KEGG:C00398)を付与すると、Tryptamineの箱(ノード)にはTryptamine-2TMSのデータが書き込まれることになります(図3F)。さらに、(text:Tryptamine-2TMS.)というIDを創作し(マイIDをユーザーが作成してもOKです。また最後にピリオドを付けます)、GC-MSの分析メソッドのTryptamine-2TMS に付与します。その上で、白地図にも、Tryptamine-2TMSのデータを張り付ける専用の箱(ノード)を追加し、(text:Tryptamine-2TMS.)を付与しておきます(図3F)。このような作業を行うと、Tryptamine-2TMSTryptamine-3TMSの定量データを別の箱(ノード)に書き込み、簡単に比較できるようになります(図3)。SBmap08, SBmap09は島津製作所製GC-MS Smart Metabolites Databaseを用いて取得したデータを念頭に作成しました。


図3

SBmapの使い方その4 SBmapに埋め込まれたID情報を確認する方法

SBmapには、化合物情報の紐づけ用にID情報が埋め込まれています。今回はその確認方法を紹介します。

1.SBmapで直接確認する。
1-1.VANTEDでSBmapを開きます。例はSBmap08




1-2.見たい代謝物の箱(ノード)を左ダブルクリック
例はallo-Chenodeoxycholate
「Edit Label」のAnnotatationにIDが記入されています。




(CAS:15357-34-3)(HMDB:HMDB0000514)(text:allo_CDCA)(text:allo-Chenodeoxycholate)(text:Allo-chenodeoxycholic acid)(text:Allo 5beta-cholanic acid-3alpha,7alpha-diol)

IDが()で括られて記入されています。

2.IDリストで確認する。
SBmapに埋め込まれたIDはIDs.txtというファイルのデータに由来します。

2-1 IDs.txt を入手する
https://github.com/fumiomatsuda/blankmaps
のidsの中にある。
2-2 エクセル、エディタ等でファイルを開いて確認する。
2 SBmap10 Chenodeoxycholate CDCA Chenodeoxycholate;Chenodeoxycholic acid;5beta-cholanic acid-3alpha,7alpha-diol 474-25-9 C02528 RUDATBOHQWOJDD-BSWAIDMHSA-N CHEBI:16755 HMDB0000518

等の記述から、ID情報を確認する。
IDリストに誤りを見つけた場合はご一報いただけると幸いです。かなりまだ間違いがあります。






SBmapの使い方その3 VANTEDの使い方

VANTEDの使い方に関する情報まとめです。

開発元旧 http://vanted.sourceforge.net/
開発元新 https://www.cls.uni-konstanz.de/software/vanted/


日本語のマニュアル https://sites.google.com/site/esitomonokai/daunrodopeji
ESI友の会作成のプロトコール集にVANTEDの使い方マニュアルあり。バージョン古めだが、そんなに変わっていないと思う。


SBmapの使い方その2 SBmapとは

SBmapとは大阪大学情報科学研究科バイオ情報計測学講座が作成した代謝マップです。研究室内での共有目的で、GitHub上にファイルを置いてあり、さらにめんどくさいのでPublicモードにしたのでどなたでも使用できることになりました。



blankmapsレポジトリ

  • オミクス解析データ可視化用の白地図です。
  • GML フォーマットです。
  • VANTED上で利用できます。
  • Shimadzu Multi-omics Analysis Gadget Packで利用できます。
  • α版ですので、間違いがまだたくさんあります。
これらのマップは大阪大学情報科学研究科バイオ情報計測学講座のメンバーが作成したものです。間違い等があると思いますので、各自の責任でご利用ください。間違いの報告は歓迎します。修正等は適宜行います。すべての共同研究者に感謝します。

SBmap01_primary metabolite

For Shimadzu LC/MS/MS Method Package for Primary Metabolites Ver. 2.
島津製作所阪大共同研究講座との共同研究の成果です。
More good-looking version is available Shimadzu webpage.

SBmap02_yeast MRM

For Shimadzu MRM Library for Metabolic Enzymes in Yeast
島津製作所阪大共同研究講座との共同研究の成果です。

SBmap03_medium

For Shimadzu LC/MS/MS Method Package for Cell Culture
島津製作所阪大共同研究講座との共同研究の成果です。

SBmap04_AspGluPro

Metabolic pathways related Asp. Glu, Pro biosynthesis
作者:松田史生&バイオ情報計測学講座、支援:新学術領域「代謝アダプテーション」

SBmap05_SerGlyThr

Metabolic pathways related Ser, Gly, Thr biosynthesis
作者:松田史生&バイオ情報計測学講座、支援:新学術領域「代謝アダプテーション」


SBmap06_gridmaps

新しくマップを作成する時につかう、整列済みのマップです。

SBmap07_cancer metabolism

がん細胞代謝研究用のマップです
作者:松田史生&バイオ情報計測学講座、支援:新学術領域「代謝アダプテーション」

SBmap08_GCMSSmartDB

Shimadzu GCMSSmartDatabase用
島津製作所阪大共同研究講座との共同研究の成果です。

SBmap09_GCMSSmartDBonMap

Shimadzu GCMSSmartDatabase用
SBmap07_cancer metabolismに由来しています。
島津製作所阪大共同研究講座との共同研究の成果です。

SBmap10_bile acid

For Shimadzu LC/MS/MS Method Package for Bile Acids
作者:松田史生&九州大学生体防御医学研究所馬場ラボ、支援:新学術領域「代謝アダプテーション」

sample_files

テスト用のダミーデータです。動作確認用にお使いください

ids

大阪大学情報科学研究科バイオ情報計測学講座で使用している化合物idのリストです。




SBmapの使い方その1 基本編

0.準備
・Multi-omics Analysis Gadget Packをインストール

・下記の2ファイルをhttps://github.com/fumiomatsuda/blankmapsから入手する。

  1. LabSolution出力のダミーファイル ./sample_files/DummyData_LabSolwithID.csv
  2. 白地図 ./SBmap07_cancer metabolism/SBmap07_190904_withIDs.gml(190904は最新の日付のものを選ぶ)

1. Garuda Dashboardを起動する
これがGARUDAの基本画面。並んでいるのがガジェット(スマホのアプリに相当)


2. Shimadzu MSdata Importを左クリック (左下の矢印が交差しているやつ)
こういうのが起動する。


3. データを読み込む
LabSolution, Insight由来のデータなら
File=>Metabolome=> Insight, LabSolution
で読み込むファイルを選択。


練習用のダミーファイルを
DummyData_LabSolwithID.csv
を読み込むと下記のようになるはず。
ここで(Sample Name)(time course)行を編集すると実験の構造を記述できるが今回は無視(同じサンプルのSample Nameを同じにする。time courseに数字を入れると時系列データとして認識される)


4. 右上のDiscoverボタンを押す
データを送り込めるガジェットのリストが出るので、Multiomics Data Mapperをダブルクリック


5. Multiomics Data Mapperが起動し、しばらくすると、Shimadzu Multi-omics Data にデータが読み込まれるのでそれまで待つ


6. 白地図を選択
左上近傍のPathway GML Fileをダブルクリック。「開く」ダイアログで白地図ファイルを選択
今回はSBmap07_190904_withIDs.gmlを使った。


7. 実行
右下のLaunch
を押すと、なにやら表示が出て左上のタブがOutput Filesに切り替わり
output.gml が生成している。


8. マップの表示

output.gml が表示されている状態で右上のDiscoveryを押す。データを送り込めるガジェット一覧が表示されるのでVANTEDをダブルクリック。
VANTEDが起動し、しばらく待つとファイルが表示される。最初はウィンドウが小さいので、ウィンドウを適宜広げるとデータ投影済みマップが表示される。




2019年8月26日月曜日

第164回 質量分析関西談話会、第16回MSSJ質量分析技術者研究会プログラム


164回 質量分析関西談話会、第16MSSJ質量分析技術者研究会プログラム
災害に強いマスづくり&関西若手の活躍

20191123日(土)1300分~
会場:島津製作所関西支社マルチホール (会場定員60名)
大阪市北区芝田1-1-4 大阪梅田 阪急ターミナルビル14階 電話06-6373-6522
JR大阪駅ホーム北側に隣接するビルです。阪急17番街のエレベータで14階までお越しください。)
交通アクセス
https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/access/kansai.html

多くの災害が起きています。人命を最優先とするのはもちろんですが、質量分析装置に被害が出るのも避けなくてはなりません。そこで、災害に強い環境の構築を目指して、最近の事例に学び、効果的な対策法の情報交換を行いたいと思います。また、関西若手のチャレンジの成果を皆さんと共有しましょう。多くの方の来聴を歓迎します。

講演プログラム:
災害に強いマスづくり
13:0013:45:「北海道地震から得た教訓(仮)」
岡 征子(北海道大学創成研究機構)
13:4514:30:「大阪北部地震の教訓、効果的な対策法の提案」
質量分析関西談話会、MSSJ質量分析技術者研究会、メーカーより話題提供
飛び入りの話題提供歓迎
14:3015:00:「総合討論」
15:0015:15:休憩

関西若手の活躍
15:1515:55:「科学捜査への質量分析の活用(仮)
中野史保子(大阪府警科学捜査研究所)
15:5516:35: 「病院薬剤部にて質量分析をTDMに生かす:業務紹介と臨床現場ならではの問題点」
新名主カオリ 様(国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 薬剤部)
16:3516:15:「プロテオミクス研究支援の現場から〜面白い研究のためにできること」
中川れい子(理化学研究所 生命機能科学研究センター)

参加費:無料

参加申込み:
参加希望の方は、(1)氏名、(2)所属、(3)メールアドレス、(4)日本質量分析学会
会員/非会員の別を添えて、下記メールアドレスにお申し込みください。
kansai17_%_mssj.jp (送信の際は、_%_@に変えてください)

関西談話会世話人代表 松田史生(大阪大学)

世話人:三宅里佳(大阪大学)、片木宗弘 (大阪府警)、松田 史生 (世話人代表、大阪大学)

2019年8月2日金曜日

市販の血清、血漿調査

気になったので市販の血清、血漿を調べてみました。

・コージンバイオ株式会社
正常ヒト血液、血清、血漿

Ex. 正常ヒト血清・プール 100ml 31,500円

・Rockland Immunochemicals Inc.
sterile serum or plasma
Ex. Sterile Human Plasma In ACD $1225

・Lee BioSolutions, Inc.
Human (Blood-Derived)
Ex. Normal Source Plasma 1L $767
Ex. Human Plasma Sample/Specimen 100 G ¥282,000

・George King Bio-Medical, Inc.
かなりコントロールされた条件で取得された血漿を販売
Ex. Pooled Normal Plasma 5*1mL 12,000

・株式会社ケー・エー・シー
血液・体液
特長 薬物ヒト血中濃度測定等の研究に

  • インフォームドコンセントの得られたドナーからの血液を用いて調製されています。
  • ドナーの条件指定がオプションで可能です(性別、年齢など)。
  • 各種疾患患者 (各種癌、糖尿病、リウマチ、高脂血症 等)由来の血清も入手可能です。
  • 処理を施したヒト血清の供給が可能です (不活化、ろ過滅菌、脱脂、活性炭処理)。
  • イギリス在住の日本人由来血清が入手可能です(BioIVT社)


Ex. CTSER018-J Human serum, single donor, Japanese ご照会
細胞.jpによると \30,000/20mL, \55,000/50mL。

・東京未来スタイル
ヒト由来サンプル

弊社検体の特徴

  • 欧米数社のネットワークを駆使し、常時数万検体の検索が可能です。
  • 1ml から、数十リットルまで、シングルドナー(個別ドナー)からプール検体まで対応可能です。
  • 年齢別、性別等、各種受託パネルの作成が可能です。
  • 採血時に血圧を測る、既往歴のインタビューなど、さまざまなリクエストにお答えできます。
  • 健常人検体については、すべてFDAにより認可された方法により、以下のウイルスマーカーを測定し、陰性であるという確認が取れています。
  • すべての検体は、IRBの規定に基づき、ドナーにインフォームドコンセントを行ったうえで採取されたヒト由来サンプルです。
  • この事項に関するオーソライズされた証明書 (Certificate) を、各サプライヤー名義で提出いたします。

詳細は不明

・キシダ化学株式会社
各種血清
●血液型の指定、性別、年齢、採血日表記など対応可能です。
 ●ヒト由来製品は全て米国・EU から輸入しております。

・REPROCELL
ヒト血液・血漿
現在、4大陸、700の医療機関、120,000名以上の患者様より採取された60万個以上のヒトDNA、組織、血清サンプルをストックしており、アカデミア、企業の研究者様にご提供しております。

上記ストック分以外にも、提携医療機関とのネットワークを駆使し、ご希望の生体試料を収集することが可能です。

・日本赤十字社
新鮮凍結血漿-LR「日赤」
処方箋医薬品

・株式会社ベリタス
いろんなメーカー製品の商社
生体試料のカタログ

・産総研
血清標準物質
Ex コルチゾール分析用ヒト血清(3濃度レベル)

多項目実用参照物質の国際標準化に向けて
平成25年度日本臨床検査標準協議会(JCCLS)学術集会 (2013年9月、東京都)
臨床検査用の答え合わせ用参照物質となる血清を開発した話
施設間誤差 n=121がすごい。
MaCRMというようだ。
こんな記事もある。

ほかにも情報のタレコミお待ちしております!

松田







第163回 質量分析関西談話会:質量分析の臨床実装に向けた動向


163回 質量分析関西談話会

日時:
201983日(土) 1300分~1600分ころ
島津製作所関西支社マルチホール (会場定員60名)
主題:
大阪市北区芝田1-1-4
大阪梅田 阪急ターミナルビル14
JR大阪駅ホーム北側に隣接するビルです。阪急17番街のエレベータで14階までお越しください。)
電話06-6373-6522
交通アクセス
https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/access/kansai.html


主題:質量分析の臨床実装に向けた動向

20173月に質量分析器が初めて薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律)で正式に医療機器として承認され、20184月の診療報酬改定では病原微生物の迅速同定に質量分析を用いた場合に質量分析加点が認められるなど、質量分析の臨床実装が着実に進んでいます。質量分析を用いた臨床検査には、同一試料から複数の項目の検査が可能である点、抗体に依存しない測定系である点などのメリットがあり、今後、臨床化学の領域においても活用が進むことが期待されています。本談話会では、既に臨床で活用されている新生児マススクリーニング、最新のがん検査法、臨床での質量分析標準化に向けた動向について共有し、今後の課題と展望について皆さんと議論できればと考えています。

講演プログラム
13:0014:00:重松 陽介(福井大学医学部)
新生児マススクリーニングの歴史と課題
14:0015:00: 坂入 実(日立製作所)
尿中腫瘍マーカーの解析ーその技術的背景と現在の研究状況についてー
15:0015:15 休憩
15:1516:15: 佐藤 守(千葉大学医学部付属病院)
質量分析検査標準化ワーキンググループ(WG)の動向

参加費:
無料

参加申込み:
参加希望の方は、(1)氏名、(2)所属、(3)メールアドレス、(4)日本質量分析学会
会員/非会員の別を添えて、下記メールアドレスにお申し込みください。
kansai17_%_mssj.jp (送信の際は、_%_@に変えてください)

関西談話会世話人代表 松田史生(大阪大学)


世話人:大川 友之(塩野義製薬)、井上 則子(東和薬品)、渡辺 淳(島津製作所)、松田史生(大阪大学)