2019年9月22日日曜日

SBmapの使い方その6 Shimadzu MS Data importガジェットの裏技



 前記事(SBmap 化合物名の基礎知識)で説明した使い方が基本です。しかし、GC-MS, LC-MS/MSでデータを取得する分析メソッドの化合物名を書き換えなくてはならない。という欠点があります。さらに、Trp(KEGG:C00078)というような表記を分析メソッドにするのは、ダサいからヤダ。というユーザーもおられるかもしれません。
 このような問題を解決するため、Shimadzu MS Data importガジェットには裏技が用意されています。Shimadzu MS Data importは化合物名と化合物IDとの対応表を内部に持っており、島津製作所製分析法パッケージで使用されている化合物名(例ではTrp)を見つけると、自動的に化合物IDを付与します。これにより、GC-MS, LC-MS/MSのデータ取得メソッドを書き換えなくても、Multiomics Data Mapperが機能できるようにしています(図1例H)。さらに、Trp(KEGG:C00078)というようなデータを読み込んだ場合、Trp のKEGG IDはC00078 という情報を記録しておく機能もあります。しかし、化合物名が対応表にない場合は、化合物IDが付与されないのでうまく動作しません(図I)。

図1

 ここからが皆さんを見込んでこっそりお伝えする裏技です。ここだけの話として誰にも教えてほしくないのですが(もちろん正規の保証外です)、この「化合物名と化合物IDとの対応表」はユーザーが自由に書き換えることができます。
  1.  Shimadzu MS Data importガジェットの右上の秘密のボタン「IDList」を押す。
  2. 「化合物名と化合物IDとの対応表(CompoundIDList.txt)」が「メモ帳」を使って表示される。
  3.  念のため、もともとの「化合物名と化合物IDとの対応表」を別のファイルにコピペして保存しておく。
  4. 大阪大学情報科学研究科バイオ情報計測学研究室がhttps://github.com/fumiomatsuda/blankmaps/tree/master/idsから公開(予定)の対応表ファイル(CompoundIDList.txt)の中身をコピペする。あるいは自作した対応表をコピペする。
  5. 「メモ帳」のセーブ機能を用いて保存する。
  6. 念のためGARUDAを再起動する。
右上が禁断のIDList


この方法で、「化合物名と化合物IDとの対応表」を書き換えると、下図2のようにマップ側に付与するIDを工夫することで、いろいろなことができます。繰り返しになりますが、あくまでもユーザーの独自の判断でご活用ください。SBmap08, SBmap09は島津製作所製GC-MS Smart Metabolites Databaseで取得した定量データに対応するため、これらの技をいろいろ繰り出しておりますのでご参考ください。


図2

0 件のコメント:

コメントを投稿