2019年10月5日土曜日

Skylineの使い方 その4 定量プロテオーム解析用のメソッド作成

定量プロテオーム解析用のメソッド作成


Skylineは定量プロテオーム解析用のソフトウェアです。複数のタンパク質用のMRMメソッドを並列したメソッドを作成できます。今回はテキストファイルから定量プロテオーム解析用メソッド作成法を紹介します。
1.まずSkylineを起動し、「空のドキュメント」を開きます。


2.次に下記のようなタブ区切りのテキストファイルを用意します。こういうデータは論文のサプリメントデータとかについています。
タンパク名、ペプチド、Q1 m/z, Q3 m/zの順番です(どうもこの順番は適当でもSkylineがよきにはからってくれるようだ)。

serB LAGSLTAR 394.735425944185 347.20429299249
serB LAGSLTAR 394.735425944185 460.28835696962
serB LAGSLTAR 394.735425944185 675.37896287917
serB LAGSLTAR 394.735425944185 604.34184909446
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 1104.51817585726
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 519.27132700649
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 991.43411188013
hisB FGFVLPMDECLAR 777.876353174435 1203.58658977025
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 965.60354308039
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 1094.64613616836
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 868.55077923154
hisB LAFEPGVIPELLK 713.42177643763 1241.71455008135
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 804.4103225771
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 418.23017338716
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 632.3619158327
hisB VEGDTLPSSK 516.764577305065 531.31423736429
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 989.47913041291
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 789.39942354023
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 860.43653732494
pgk SLYEADLVDEAK 676.833188179465 1152.54245894546
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 847.43476350313
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 748.36634959014
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 1015.52464113669
pgk VLPAVAMLEER 614.34247202944 677.32923580543


3.テキストをクリップボードにコピーします。
4.左上青枠をクリックし、ペーストします(貼り付けて後複数個貼り付けても1つのメソッドで行ける)。


5.うまくいくと、ターゲット欄にタンパク質が登録されます。


6. 設定パラメータについては研究目的により異なるため、その都度入力します。

6-1.使用するペプチドの長さの範囲を指定する。

設定(S) →ペプチド設定→フィルタ・・・
設定例:
最小長(M):7 - 最大長(X):30、
末端AAを排除(N):25 ←今回は意味なし
□潜在的に不規則な終端を排除 ←空白のまま
以下を含むペプチドを排除
■Cys ←これらのアミノ酸が含まれるペプチドは定量に向いていないといわれています。
□Met
□His

■全ての一致ペプチドを自動選択(A)





6-2.修飾の設定

設定(S) →ペプチド設定→修飾・・・
■Carbamidomethyl(C)←還元アルキル化した場合はチェック
最大修飾(M)=3←よくわからない
最大ニュートラルロス(N)=1

同位体標識タイプ(T)=heavy ←安定同位体標識内部標準を用いる場合ここで設定
同位体修飾(I )
□label:15N 15N …フル15N標識の時
□label:13C 13C …フル13C標識の時
変更時は別記事の「Skyline_15N→13C_ペプチド設定_変更の方法」へ

内部標準タイプ(N)=heavy ←安定同位体標識内部標準を用いる場合heavyにしておく。
 


6-3.トランジションの設定

設定(S) →トランジションの設定→フィルタタブ
  プリカーサ電荷(P)=2 ←2価と3価の場合は"2,3"とする。
    イオン電荷(I)=1
    イオンタイプ(T)=y ←yとb系列のときは"y,b"とする。
    開始点(F)=イオン1 ←Q3を選ぶ基準
    終了点(O)=最後のイオン

 特別なイオン
 ■N-terminal to Proline N末がプロリンになるペプチドは無視

    プリカーサm/z排除ウインドウ [            ] m/z   ←空白のまま

    ■一致する全てトラジションを自動選択(A)

7.ファイル名を付け、保存する。←… 解析メソッド出来上がり
   <例>KT0031_Normal3-empty
             




0 件のコメント:

コメントを投稿