2023年4月5日水曜日

宇宙検閲官仮説

 「宇宙検閲官仮説 「裸の特異点」は隠されるか (ブルーバックス) 」を読んだ。中学生のころ、雑誌ニュートンで盛んに特殊相対性理論(光速に近い条件下での物理)の特集が組まれていたのを読んで、もちろんよくわからないけど、不思議な世界だなーという感想があった。本書はその次の一般相対性理論(重力非常に大きい条件での物理)を構成する微分方程式を解説する。一般相対性理論の微分方程式は特殊な条件下でのみ解が見つかっており、最初に見つかった解からはブラックホールの存在と、「特異点」(微分できない=不連続)の出現が予測された。ただし、「特異点」が事象の地平線の内側にあるので、「特異点」がむき出しにならない。本書は「特異点」が自然に生じることを証明したペンローズの業績を中心に解説していて楽しかった。特異点があると宇宙がなりたたないので、特異点はむきだしにならないように隠されている=検閲官仮説らしい。ということは、特異点はむきだしになると何が起きるのだろうか。ビッグバン?

最近、代謝の動的モデルを構築しているが、代謝の場合、細胞内の栄養素がゼロになる(濃度の時系列曲線が折れ曲がる)ったりして死ぬことは、よく起きる現象であり特異点がむき出しになりすぎて困っている。また、細胞はミトコンドリアが不調で特異点いたって死にそうになると、そうなる前にアポトーシスというメカニズムで、自爆じゃなくて自殺することが知られている。

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