2015年5月6日水曜日

ノンターゲットメタボローム分析の課題その5 保持時間の補正

 LC-MSメタボロームデータをがんばって取得しても、データ間で保持時間が変動します。ずれるんです。この変化量が大きいと、保持時間が近接するMetabolite Featureを誤認する可能性があるので、そこで、保持時間の補正(アライメント)をおこなって、ぴったり保持時間を一致させるという作業を行ないます。保持時間の補正について以前紹介したように、実用的なのはクロマトグラム生データを、テンプレートのメタボロームデータにぴったり合うように補正する方法です。Dynamic time warping, correlation optimized warping, parametric warping などの補正法がすでにあります。ここでアツく主張しておきたいのは、ほとんど補正しなくてもいいデータの補正は隅々までうまくいきますが、補正をしないとダメなデータの補正はだいたい70%くらいしかうまくいかない。ということです。補正をしなくてはならないが、補正に頼ってはいけない。のであります。
また、もし、2つのスタディーで結果を直接比較したいとき、保持時間の補正に用いるテンプレートも同じじゃないといけない。ですよね。つまり過去に検出したMetabolite Featureの保持時間xの記録と照合するには、常に同一のテンプレートを用いてアライメントを行う必要がある、ということは、保持時間アライメント用のテンプレートデータファイルをみんなで共有すれはOKってことなんでしょうか?

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