2015年6月15日月曜日

先生はえらい

要約の達人2人目は(以下敬称略)内田樹です。内田樹は要約できないことを説明するプロです。世の中の大事なことのほとんどはもちろんそんなに簡単に要約なんかできはしません。名著「先生はえらい」において、内田樹はえらい先生に出会うことの意義と効能について中学生向けという制約をむしろうまく使って説明しながら、例え話(有名なF1ドライバーと自動車教習所の教官の違い)、脱線(アマゾンの無言交易とか、、)などを積み重ねることで、わからないはずの話をわかった気にさせる荒技を繰り出して、えらい先生に出会ったときの自分を前倒して一瞬体験させることに成功しています。すごいです。この本の内容は、一言でいえば「先生はえらい」ですので、要約すればするほどわけがわからなくなる話なのですが、自分がそのことにいままで気づいていなかったことに気づくのは一瞬なんです。あっそっか、そういうことね。なんですが、それを気づいていない人に理屈で教えることはできません。ただ多くの先生と呼ばれる人たちは、それだけでいいから気づいてもらいたく、わけのわからない話を学生にすることになるわけであります。ですので、清水研の学生は全員読むように。

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